2013年5月合宿報告
参加者
古薮・湯浅・日上(S58)
行動概要
5/01(水)室堂~雷鳥沢手前TS
5/02(木)TS~剣御前小屋~剣沢BC,雪上訓練
5/03(金)BC~長次郎谷出合~BC
5/04(土)BC~長次郎谷~長次郎のコル~本峰~早月小屋手前~平蔵谷~BC
5/05(日)BC~剣御前小屋~剣御前往復~室堂
(下山)
行動記録
5/01(水) 晴れ
Time: 10:40 出発―18:20 室堂―18:50 雷鳥沢前TS
出発の数日前から参加予定のメンバーと連絡が取れなくなっており、前日になって日上OBと湯浅、古薮の3人で行くことになった。3人分になるように荷物を減らしたりして当初の計画からは1日遅れで出発した。立山駅までは日上OBに送っていただいた。立山駅からケーブルカーとバスを乗り継ぎ室堂ターミナルに着いたときには、少しだが雪も降っていた。時間もなく、ガスも出ていたので目標であった雷鳥沢の手前でテントを張ることにした。
5/02(木) 晴れ
Time: 6:30 出発―9:05 剣御前小屋―9:45 剣沢BC―11:30 雪訓開始―14:00 BC
4:00に起床し、6:30に出発した。登りに差し掛かってからは早めにアイゼンを履くことにした。序盤は雪が適度に積もっており、歩きやすかった。途中から足が埋まるところも出てきた。ガスが出るようなことはあったが、天気自体が悪くなることはなかった。剣沢に着いてベースキャンプを張って一服ついた後に、別山の斜面で雪訓を開始した。スタンディングアックスビレイや斜面をロープを伝って登る時の練習等を行った。雪訓中は吹雪のようで、ガスによる視界不良にもなっていた。雪訓後はBCに戻り、天気図を書いてから夕食をいただいた。
5/03(金) 晴れ
Time: 5:50 出発―7:45 長次郎谷―10:55 BC
剣岳は5時になると既に明るくなった。この日の目標は長次郎谷のルートであった。5:50に出発し剣沢を下っていったが、太陽が出始めたのでサングラスを着用することにした。ところが湯浅のサングラスはいつの間にか割れており、代用品もなかった。しかし何とかなるだろうとそのまま剣沢を下っていったのだが、長次郎谷をそれと気づかずに通り過ぎてしまい別山沢を発見してから引き返すことになった。そのころには太陽もかんかん照りで、雪面もザクザクだった。足を取られながら長次郎谷に着いた頃に湯浅が目の痛みを訴え始め、雪目になっていることが判明したためこの日の計画を中止してBCに引き返すことになった。BCに引き返してからは、日上OBが剣御前小屋にサングラスが売られているかを確認しに行かれ、古薮はテントの周りに雪のブロック塀を作り、湯浅は雪で水を作るように役割を分担した。しかし剣御前小屋にはサングラスは売っていなかった。また古薮は日焼け止めを塗っておらず顔がひどいことになった。湯浅は明日1日を安静に過ごし、4日目は古薮と日上OBだけで行動を行うことになった。
5/04(土) 晴れ~曇り、雪
Time: 5:30 出発―6:00 長次郎谷出合―9:20 長次郎のコル―10:10本峰―13:30 早月小屋手前―16:10分岐―17:10平蔵のコル―18:00 平蔵谷―19:40 BC
この日の目標は長次郎谷から本峰まで行って平蔵谷を下りる行程に決まった。6:00に長次郎ノ出会いに着いた。ここからはサングラス着用で行った。雪は歩きやすいものでゆっくりと確実に高度を上げていった。熊の岩手前あたりからガスが出始めた。長次郎のコルからの登りは1カ所右(池ノ谷)側が切れ落ちた崖のようなところをアイゼンを蹴り込み慎重に登っていった。本峰には10時過ぎに着き、人も多かった。そして出発したのだが、下り始めてすぐの分岐点で早月尾根のルートのほうに進んでしまった。そしてそのまま崖などを下りながら、天気も悪くなりながら、早月小屋を目にしてようやく間違いに気づきそのまま引き返し始めた。吹雪はますますひどくなりホワイトアウトしそうになりながらも、分岐を見つけ先にいた登山者たちに確認を取りながら、別山尾根を下って平蔵のコルまで行った。平蔵谷を下りる途中からガスは無くなりはじめたが、雪はジュクジュクで歩きにくかった。何とか日没までにはテントに戻ることができたが、疲労困憊であった。
5/05(日) 快晴
Time: 8:30BC―9:17剣御前小屋―9:25~9:50 剣御前往復―12:00 室堂
昨日の疲れもあり、6:00起床の8:30出発に決まった。天気は快晴でシャツ1枚でも歩いていたら暑いほどだった。剣御前小屋で大幅に遅れた古薮の荷物の詰め替えなどを行った。その後剣御前だけ往復して、また下り始めた。道には人が多くおり、それは下るに従い増えていった。斜面ではシリセードで時間を短縮した。室堂ターミナルまでの道は多くの人に踏み固められており、歩きやすかった。ケーブルカーの駅で20分ほど待たされたとはいえ、すぐに下山できた。
反省
[準備]
準備段階でまず挙げられるのは出発直前のメンバー変更だ。前日までにあらゆる連絡手段を試みたが連絡が取れず、3人で行くことになり荷物の変更を直前になって余儀なくされたほか、関係各所にも変更の連絡をせねばならなかった。その他に概念図をお互いに確認したりしていない、地形図を購入せずにコピーで済ます、ゼミをしていないなど準備不足が目立った。
[装備]
湯浅の雪目の原因であるサングラスの破損も取扱いに関して不備があったということだが、それ以上に代わりの品を室堂等で購入しようとしなかったことが悔やまれる。心の中でサングラスが割れても何とかなるだろうと思っていたのだ。その他に部のラジオがなかったら天気を聞くことができないので早急に準備する。またトレーのようなお盆も必要である。少なくなったガスカートリッジも最後まで使い切るために少量持っていくべきだ。そして今山行後にフライシートが破れたので、それは補修しておく。
[医療]
湯浅が雪目になったこと、それによる1日の無駄さを今後は肝に銘じておくべきだ。雪目用の目薬も入手できるならすべきだろう。古薮も日焼け止めを塗らずに日焼けがひどいことになった。双方に言えることは5月山の日差しを侮ってはいけないということだろう。最後にサブザックに入れていくような外傷用医療袋も必要である。
[気象]
現役がいまだに天気図が書けないので早急にゼミ等を行って書けるようになるべきだ。また実際の天気をメモしておいてそれと自分の予想とを比較していくことも大事である。
[反省:食糧]
生野菜を持っていくのは良かったが、ジャガイモを忘れてしまった。また肉類も持っていかなかった。ベーコンなどがかさばらなくておすすめである。その他にもスープの素、紅茶の砂糖、スキムミルクなどが途中でなくなった。どれも事前の計量が必要であった。他にはご飯の量が多い、パスタはもっと水を多くしてゆでる、割り箸を持っていくべきという反省があげられた。
[行動]
*1日目 … 特になし
*2日目 … 古薮がスタンディングアックスビレイのやり方を忘れていた。ゼミや日頃の練習などでロープワークや概念の把握などをしておくべきである。歩行に関しては、仲間とあまり離れすぎないようにすべきだ。
*3日目 … 長次郎谷を通り過ぎて別山沢まで行ってしまった。地形の把握が出来ていないし、確認することもしなかった。そこから引き返したことはタイムロスであるし、サングラスをしていなかった湯浅の雪目も決定的なものになってしまっていた。結局テントまで戻ってほとんど行動できなかったし、湯浅については次の1日も無駄にしてしまった。
*4日目 … 剣岳の下りからの分岐を間違えて早月尾根まで行ってしまった。しかも早月尾根に行くまでその間違いに気が付かなかった。何も考えずトレースについて行き、リーダー任せにしていた。部員一人一人が間違いを正す、言える知識、判断できる準備をすべきである。行く前日などにどこが危険か、間違えやすいか等を共通認識として皆が持っておく必要がある。ま
た今回に関しては、湯浅にどこに行くかについ
て詳しく伝えていなかったことも大きな問題である。これらの行動はすべて山を甘く見ていたことに起因するだろう。具体的には、湯浅にしっかりどこにどのルートで行くかを伝える、また地形図やコンパスを用いて自分たちが正しい場所にいて、正しい場所を向いているかを確認する必要がある。そして間違えていればそれを正せるようにならなければならない。
*5日目 … 特になし
[個人]
*古薮 … 山を甘く見た行動だらけの山行であった。砂糖などを計量せずにもっていったこと、日焼け止めを塗らずに顔がひどいことになったこと、この道で合っているだろうと勝手に想像して地図やコンパスを出そうともせずにトレースをついて行ったことなど未熟な面が浮き彫りになった。天気図が書けなかったり、概念図の照らし合わせなどのゼミ不足も目立った。体力面も練習不足による低下を免れえなかった。歩き方ももっと疲労時に意識できるようになるべきである。昨夏に学んだスタンディングアックスビレイを忘れていたりと、山岳部員としての自覚が足りない部分も発見できた。テント内の生活なども改善して快適にしていくべきだ。これからは実質2回生2人だけでやっていくことになるが、自覚を持って練習に取り組み今までどおり山に行きたい。
*湯浅 … 今回の反省点は、3つある。1つ目は、サングラスが壊れてしまったのに新しいサングラスを買わなかったことだ。そのため雪目になり1日を無駄にしてしまった。2つ目は、剣岳の地形を詳しく頭に入れてなかったことだ。よって、長次郎に登ることができなかった。3つ目は、山を甘く見ていたことだ。以上のことが今回の特に反省しなければならないことだ。次山に登るときはしっかりと準備をしていきたい。また、山にもっと登ってみたいという気持ちが増えた。
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